Mac mini (2024) を購入した
11月に M4 チップ搭載の Mac mini が発表された。今までメイン機としては MacBook Pro をずっと使ってきたが、今回新たにメイン機として我が家にお迎えした。購入に至るまでの経緯やセットアップ時の作業について記したい。
Mac mini の購入理由
今回の Mac mini は手のひらサイズにまで小型化されている。マシンスペックも旧世代の Apple シリコン搭載マシンと比べて優れているらしい。そのようなセールスポイントに食指が動いたことが最も大きな購入理由ではあるのだが、自分はそれらについて魅力的に書けるようなマーケターでもエッセイストでもないので、一個人が購入に至るまでの思考過程をありのままに記すことにする。
他の Mac との比較
現在発売されている Mac の中で購入候補に上がったのは以下の3つだ。
- Mac mini
- Mac Studio
- MacBook Pro
Mac Studio は Mac mini より上位のスペックの製品だ。この記事を書いている時点では、最新の Mac Studio が搭載しているチップは M2 であり、 M4 チップ搭載バージョンの発売は2025年半ばと予想されているらしい^1。自分の場合、半年待ってまで購入したいとは思わなかったこと、 Mac Studio ほど高スペックなマシンは (欲しいけど) 必要とまでは言えなかったことから、候補から外した。
MacBook Pro は Mac mini とほぼ同時に発売されており、 M4 チップを搭載している。価格帯を比較すると、プロセッサ・メモリ・ストレージが同スペックの Mac mini と比べて ¥110,000–¥125,000 ほど高い (14インチの場合)。ディスプレイ、キーボード、トラックパッドなどが含まれるので高価になるのは当然と言える。自分は Mac を据え置きで利用する場面が多く、その点を考慮すると割高感があったため、候補から外した。
このようにして候補は Mac mini に絞られたが、ラップトップからデスクトップに乗り換えて本当に問題がないか不安があった。
据え置き運用の確認
Mac mini がいくら小型化されたと言っても、持ち運び用途で運用するのは現実的ではない。 Mac mini はあくまでデスクトップマシンであり、場所を変えて作業するには本体に加えてモニター、キーボード、マウスが必要になる。本体以外の周辺機器が用意された拠点間を移動するのは可能かもしれないが、自由に場所を変えて作業するのは現実的とは言いがたい。
そこで購入前の数週間、先代の MacBook を常にクラムシェルモードで利用し、擬似的な据え置き運用を試してみた。その結果、普段の利用シーンの 99% では困らないことが分かった。持ち運びしたいと感じるタイミングが 1% だけあったが、このケースの利用用途は動画視聴やテキスト編集であり、いざとなったら iPad で代替できることも分かった。
この運用を通して、 MacBook 本体のディスプレイや Touch ID などの機能も不要だと判断した。ディスプレイについては外付けのモニターをメインで利用しており、本体ディスプレイは壁紙と化していたので、自然な結果だった。 Touch ID については Apple Watch を使ったロック解除で代替できることが分かった^2。以前からこの機能は認識していたものの、例えば出先で自分が少し目を離した隙にロックが解除されているといったトラブルが心配で利用していなかった。今後は自宅での据え置き運用に限定されるため、そのような心配は不要になるだろう。
さあいよいよ購入だ、と Apple のサイトをにやにやと眺めていたところ、1つ見落としているイレギュラーケースがあることに気づいた。それは開発合宿やカンファレンスの登壇など、開発に関連するイベントに参加した先で Mac を利用するケースだ。最近はこのようなイベントに足を運ぶ機会は少ないが、全くないとは言えなかった。 iPad で代替することは不可能ではなさそうだが、あまり考えたくはない。悩んだ結果、先代の MacBook を下取りに出さずに持ち続け、いざとなったら引っ張り出して対応することにした。
Mac mini の購入
発売から2週間ほど経過して他の懸念点もなさそうだったので、自分の右手の人差し指は購入ボタンをクリックすることを許された。
購入した Mac mini のスペックは以下の通り。
- M4 Pro (12コア CPU / 16コア GPU)
- 48GB ユニファイドメモリ
- 1TB SSDストレージ
価格は ¥308,800 となった。 M4 Pro の吊るしモデルと比較すると、メモリは 24GB から 48GB へ (+¥60,000)、ストレージは 512GB から 1TB へ (+¥30,000) それぞれアップグレードしている。メモリは先代の MacBook でも使用量が 24GB を超える場面が多いため、 48GB は必要だと考えた。ストレージは 512GB でも足りそうだったが、 Parallels Desktop を入れて Windows ゲームを動かすことにチャレンジしたいと考え、少し余裕を持たせることにした。どちらのアップグレードも正直割高な印象があるので悩んだが、長く使用する想定のマシンであるし、後からスペック不足が判明して悲惨な目に合うよりマシだと判断した。
Mac mini のセットアップ
Mac mini のセットアップは移行アシスタントを利用せずに行なった。アプリやファイルの棚卸しをしたかったことが主な理由だ。先代の MacBook のプロセッサが Intel であり、互換性のために存在する余計なファイルや設定が引き継がれてしまう可能性を排除したかったというのもある。同じような作業は過去に何度か経験しているが^3、シークレットのコピーだけ忘れないようにすれば大体後から何とかできる。
少し話は逸れるが、今回を機に先代の MacBook に眠っていた昔の写真を iCloud (写真アプリ) に取り込んだ。取り込んだ写真は撮影日順に並んでほしかったので、 Exif データを確認して整理することにした。幸い、多くの写真ファイルの Exif データには撮影日時の情報が残っていたので、そのまま写真アプリに取り込めば撮影日順に写真が並んでくれた。一部のファイルには撮影日時の情報が残っていなかったので、 exiftool で適当な日付に更新してから取り込んだ。
exiftool -overwrite_original -DateTimeOriginal="2000:04:01 00:00:00" your_image.jpg
動画ファイルについても同様に撮影日時の情報を更新した。一部の動画ファイルは exiftool がサポートしていない MPEG (MPEG-2) 形式になっていたため、 MP4 に変換する必要があった。また、アプリが撮影日時の判定に利用するタグは DateTimeOriginal
ではなく CreatedDate
のようで、かつ後者の場合は UTC からのタイムゾーンのずれを考慮する必要があった。
ffmpeg -i your_movie.mpg -c:v libx264 -c:a aac your_movie.mp4
exiftool -overwrite_original -CreateDate="2000:03:31 15:00:00" your_movie.mp4
終わりに
動画ファイルの変換時にたまたま分かったのだが、 ffmpeg の speed
に表示される値から判断して、 Mac mini は先代の MacBook Pro と比べると x2–3 のスピードで処理してくれているようだった。まだまだポテンシャルを秘めていると期待して、ゴリゴリに使い倒していきたいと思う。